各種事業 117
5-4 アジア研究教育拠点事業
21世紀はアジアの時代と言われている。とくに日本をはじめとする一部のアジア諸国では学術,産業,経済など さまざまな分野において既に欧米のキャッチアップを終え,第三の極を確立しつつある。分子科学においても欧米主 導の時代を離れ,新たな研究拠点をアジア地域に構築し,さらにはアジア拠点と欧米ネットワークを有機的に接続す ることによって,世界的な研究の活性化と新しいサイエンスの出現が期待される。
分子科学研究所では,平成18年度より平成22年度までの5年間にわたり日本学術振興会・アジア研究教育拠点事 業(以下「J S P S アジアコア事業」という。)「物質・光・理論分子科学のフロンティア」を展開してきた。J S P S アジ アコア事業においては分子科学研究所(IMS ),中国科学院化学研究所(IC C A S ),韓国科学技術院自然科学部(K A IS T ), 台湾中央研究院原子分子科学研究所(I A M S )を日本,中国,韓国,台湾の東アジア主要3カ国1地域の4拠点研究 機関と位置づけ,また4拠点研究機関以外の大学や研究機関の積極的な研究交流への参加を得て,互いに対等な協力 体制に基づく双方向の活発な研究交流を進めることができた。平成23年度からは上記 J S PS アジアコア事業の後継と して,分子研独自の予算による IMS アジアコア事業「東アジアにおけるポスト・ナノサイエンスを指向した分子科学 研究」(I M S アジアコア事業)を実施している。これは上述の J S P S アジアコア事業によって醸成した I M S - I C C A S - K A IS T - IA M S 相互のパートナーシップをさらに発展させ,研究者交流を深めるためのプラットフォーム的プロジェク トである。とくに平成24年度からは東アジアとの学術交流は,国内研究機関との学術交流や共同利用と比較して時 間的にも予算的にも大きな差異がないことから,東アジア地域との学術交流・研究会開催は原則として通常の共同利 用における研究会申請において取り扱うこととし,発展的に取り扱われつつある。
平成25年度には中国科学院化学研究所(IC C A S )および台湾中央研究院原子分子科学研究所(IA M S )との国際交 流協定を更新し,また教育・研究集会として,平成26年2月に「T he W inter S chool of A sian-C ore Program(T aiwan)」 が IA MS のホストにより日本・韓国・台湾から 100 人超の参加を得て開催された。